さがしものは何ですか?

【内容】
レバレッジシリーズの本田さんも推薦しているこの本。著者の体験に基づき、「仕組み」を作ることの大切さ、どのように「仕組み」を作るのかといった点が書かれている。以下に、各章毎の内容、印象に残った点を挙げる。


PART1 「仕組み」があなたの仕事を変える
・目の前の仕事に追われ、今ある業務をまわすだけで一杯になっていては、新しい仕事を生み出すことができない。その危機感から著者は仕事のスタイルを切り替えることとした。
・経営者がどんなに身を粉にして、目の前の仕事にあくせくしても、それだけでは部下の成長には結びつかないし、組織が成長していかない。つまり、個人の才能や努力だけでは乗り越えられない「壁」がある。本書では、その「壁」を乗り越えるために、仕事の「仕組み」をつくるいことを提案する。「仕組み」とは、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のこと。
・皆さんが行っている仕事というのは、「作業系」という頭を使わずに処理できる仕事と、「考える系」という知的作業に分けることができる。このような視点で1日の仕事をみると、たいていのビジネスマンは、仕事をしている時間の7～8割を「作業系」の仕事に費やしているのではないだろうか。「作業系」の仕事にこそ「仕組み」づくりが有効である。「仕組み」によって効率化できた分を「考える系」に充てるのである。
・人間に与えられた時間は1日24時間。誰でも平等で、どんなに仕事ができる人でも、それを増やすことは不可能である。お金と違って時間の貯金や相続はできない。しかし、「仕組み」を取り入れて、仕事の進め方や時間の使い方を工夫することで、時間の質を変えることは可能となる。
・それまで朝から晩までのべつまくなしに行っていた「作業系」のタスクを、朝の数時間に集中して片付けるようにし、それまで「自分にしかできない」と思っていた仕事を、どんどん人にまかせるようにしたところ、①ワークスタイルが変わった、②業績が上昇した、という大きく2つのメリットがあった。
・「考え方を変える」こと、それがつまり「仕組み」をつくることの第一歩であるということができる。「仕組み」をつくることで、仕事の処理能力が飛躍的に高まり、結果として仕事は次のステージに進むことができる。忙しいときこそ、成長のチャンスである。
・チームや会社がうまくいっていないと感じたら、特定の要素や誰か個人のせいにする前に、まず「仕組み」を見直してみるべきである。
・「仕組み」のとおりにやっていたら、「気がついたら、いつのまにか続いていた」という状況をつくり出すための
「仕組み」のポイントは2つ。①小さな目標をつくる、②他人のパワーを使う。
・自分の仕事に「仕組み」をつくり、それを使いこなしていくための大前提としての3つの重要なポイントは、①才能に頼らない、②意志の力に頼らない、③記憶力に頼らない。


PART2 「作業系」の仕事を徹底的に効率化する
・作業系の仕事を「仕組み化」することで、仕事に対するストレスは明らかに軽減できる。
・チェックシートは、作業系の仕事を効率化する上で重要。また、メンテナンスが簡単にできることが、「仕組み」を仕事に定着させるために必要な条件である。


PART3 あらゆるタスクを一元管理する
・時間や手間は、すなわちコストであり、お金である。仕事を一元管理することによって、そうしたロスをなくす必要がある。
・「TO　DOリスト」は、仕事の山に埋もれることなく、自分の日々の行動を「仕組み化」するのに、大変有効なツールである。「すきま時間」の活用においても、とても役に立つ。たとえば、来客の前に5分の開き時間が出来たとき、あるいはミーティングがキャンセルとなり1時間の空白ができたときなど、このTO DOリストをみて、5分でできる簡単な仕事や、1時間かかる仕事などを適宜ピックアップし、処理していけばいい。仕事を選択する判断基準は、「重要度」ではなく、「処理時間」である。
・「受け身になる」とはつまり、情報が向こうからやってくる「仕組み」をつくること。それはつまり、「自分から情報をとりにいかないと、必要な情報は入ってこない」という状況から脱却して、向こうからやってくる情報に身をまかせていれば、自ずと必要な情報が入ってくる状態になるということが必要である。


PART4　「仕組み」で考える人はこうしている"7つの習慣"
・「仕組み」で考える人の"7つの習慣"とは、①楽することにこだわる、②シンプルに考える、③記憶せずに記録する、④わからないことは聞く、⑤自分の時間を時給で判断する、⑥うまくいっている人の真似をする、⑦自分を「型」にはめる。


LAST　「仕組み」仕事術が目指すもの
・「仕組み」というのは、一度つくればそれで完璧、ということはない。時代や状況の変化とともに、仕事に求められる内容や優先順位みお、その都度かわっていく。そうした変化とともに、「仕組み」もつねにアップデートし、より使いやすいものに磨き上げていく必要がある。
・「仕組み化」によって、仕事は一気に楽になるでしょう。精神的な意味でも、ストレスが驚くほど軽減するはずである。ただしここでは決して「楽になること」が目的ではなく、それはあくまでも過程のひとつでしかない。「楽になってどうするか？」…それは、「仕組み化」によって捻出した時間を、より生産的なことに使うのである。



【感想＆気づき】
お薦め度：★★★★★（5段階評価）
「レバレッジ」シリーズの本田直之さんも推薦しているというこの本。私自身にとっては、共感できる部分が多く、とても楽しく読むことができた。
「仕組み」の導入と、「習慣化」。これは、私自身がここ数年、ずっと意識してきたことでもある。紹介されている内容は、目新しいものというよりも、「そうだよな」というほど納得度が高く、当たり前のものばかり。
でも、それを実際に取り入れ、実践できている人は少ないし、さらにそれをチェックして、日々改善できている人はもっと少ない。
だからこそ、しっかりと自分にあった「仕組み」を導入し、日々改善できている人は強いんだと思う。
私自身は、「時間管理」を中心に「自分のルール」を作っているが、ついつい上手く回っていると、そこで安心してしまうような部分がある。
もっと向上させるには、どうすべきかを考え、しっかりとアクションにつなげていきたい。



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Discover21 − 泉　正人

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2008-08-07 07:54:43