【内容】
「はじめに」には、以下のように書かれている。
・会議とは“質”がすべてである。会議の良し悪しを決めているのは、クオリティ、つまり質である。
だから、いくら時間をかけても、質が低ければ意味がない。逆に、質さえ高ければ、時間は短く
てもいい。
・この『会議質』という本は、会議を疑うための意識改革の書。日本一沢山の会議を経験して
いる著者が記した、今までになかった新しい会議のハウツー本。
以下に、各章毎の内容、印象に残った点を挙げる。
会議上等!~会議のルール~
1章 基本のルール
・会議は2つのタイプに分けられる。1つは、経営方針とか、具体的な商品のアイデアといった、
何がしかの企画を生み出すための会議、いわば“アイデア発信型”の会議。もう1つは、その
時点で決まっていることについてコンセンサスを取り合う“共通認識型”の会議。自分が参加
する会議は、この2つのうち、どちらのタイプなのかを踏まえておくべきである。
・「うちの会社の会議はつまらない」なんて言う人は、自分自身がつまらなくしている。きっと、変化
を恐れている。会社の体制やプロジェクトの内容が会議によって変わってしまうのを怖がり、保守
的になってしまっている。だから、もっと変化させようとしなくてはいけない。実はルーティンな会議
ほど、既成概念でガチガチになっているから、壊しやすいものである。要は、変化させよう、既成
概念を壊そうという勇気を持てるかどうかである。
・常に完璧な意見だけを言おうとしていると、かえって萎縮してしまって、いい結果は生まれない。
取るに足らないような意見や、無謀だと思えるような意見も、それがたたき台になって、いいアイ
デアが生まれることがある。だから、どんな意見も勇気を持って発言すべきだし、聞く側も、
すべての意見にきちんと耳を傾けなければいけない。逆の言い方をすれば、“小さな意見”や
“要らない意見”なんて存在しえない。どんな意見も雪だるまのように膨らんでいく可能性がある
のである。
・著者は何かを企画するときに“ポジティブ・プランニング、ネガティブ・シミュレーション”ということを
心掛けている。企画というものは、この2つを1対で考えていかないといけない。
・会議質を高めるためには、前もって会議の終了時間を決めておいて、短時間で終わらせた方が
いい。逆に、終わりが見えていない会議ほど、効率の悪いものはない。あらかじめ時間を区切って、
その中で精一杯盛り上がろうと頑張るほうが、絶対に会議質は向上する。
・会議に得意分野が同じ人が何人も集まってしまうと、効率が悪くなり、会議質は落ちてしまう。
逆に、キャラがかぶらないように、きちんと出席者を選ぶべきである。
・「いい空気を作ること」が会議質を高める。では、そのいい空気とは何かというと、皆が精神的
に余裕があること、デリカシーを持っていること、また、お互いにリスペクトし合っていること、などが
条件だといえる。
2章 ディスカッションのルール
・著者がここまで成功することができたのは、妙な人間関係にとらわれず、面白いものを作ること
だけを最優先に考えてきた結果が今日につながってきている。会議においては、みんなが平等で
あるべき。会議の一番の目的は、いい企画を生み出すということだからである。
・重要なのは、本当のことを言い続けること。ほめるにしても、ダメ出しするにしても、気を使いすぎ
るあまりに、言うことがコロコロ変わってしまう人がよくいるが、そういう人は、最後には信用を失って
しまう。本当のことだけを言うように心掛けていれば、発言にブレがなくなり、それが周りからの
信頼にもつながっていく。
・著者が司会進行役(本書では「MC」と呼ぶ)をするとき、会議の参加者(本書では「パネラー」
と呼ぶ)に守らせていることが2つある。1つは、“意見することは倍返し”。つまり、誰かがしゃべった
ことに対して、賛成意見であれ反対意見であれそれを倍にして返さないとしゃべってはいけない
ということ。そして、もう1つは、“黙っていてはいけない”。ということは結局、倍返しでしゃべるしか
道はないということである。
・普通に考えれば、会議中の雑談は控えるべしというのが常識だと思うが、著者は“雑談はOK”
という考え方。雑談はどんどんした方が会議質は高くなる。会議というのは、全てが連鎖である
ため、一見ムダと思えるような話でも、絶対にどこかで本題とつながっているため。
・しゃべらない若者を、どうやってしゃべらせるか。著者はいつもこのようにアドバイスしているという。
「会議でしゃべって死んだヤツはいない」、そして「しゃべりすぎて会社をクビになったヤツはいない」。
「だけど、しゃべらなくてクビになったヤツはいる」。つまり、しゃべっても得をすることこそあれ、損する
ことは絶対にないんだ、ということを教えるのだ。
腹落ち会議~会議のテクニック~
3章 パネラーのテクニック
・重要なのは、会議中に頭に浮かんだことはすべて口にしてしまおう、という勇気を持つこと。そして、
そのためにはかっこつけすぎないこと。
・自分が決定権限を預かるということになれば、チームの旗頭となって、がんがん討論を推し進めて
いく、そして、決定権が誰か別の人にあるとなったら、サポート役に徹して、その決定権者をうなず
かせるようなアイデアをどんどん出していく。要するに、誰が決定権者かによって、自分の出方、
会議における身の処し方が変わってくる。
・自分の考えや主張を他人に理解してもらう場合、“説得する”と“納得させる”の2種類があるとい
うのが著者の持論。世間では、会議の場においては、たいていの人たちは“説得する”方向で
話しているのではないだろうか。仮に、ある会議で、だれかひとりの意見に皆が賛同したとする。
ところが皆、その2日後にはその意見を疑い始めるものである。それはなぜかと言うと、皆は“説得”
されたけれども“納得”は出来ていないから。だから、会議で自分の意見を発表するときは、全員
を”納得“させるように努めるべきである。
4章 MCのテクニック
・物事を前向きに、ポジティブに考えることができる人がMCに向いている。MCがネガティブな人間
だと、会議自体がネガティブな方向に行ってしまい、会議質が下がってしまう。また、バードアイを
持っていること、つまり物事を俯瞰で見渡せることもMCにとって必要な資質である。
・MCの立場の人は、会議に向けて“予習”をしておくことは必須である。まず初めに踏まえておかな
ければならないのは、会議におけるチームの“力量”である。会議というのは、下手をすると、どん
どん話が大きくなってしまうことがある。話し合っているうちに、高尾山しか登れない人間がエベレ
スト登頂を目指してしまうような、そんな無謀な目標を掲げてしまっていることがある。つまり、自分
たちの力の限界を把握しておく、身の丈をわきまえるということも必要である。
・会議の前後に、メンバーにまめに連絡を取り合っておくことによって、参加者の意識をを高めると
いうことも会議質を高めるためのMCのテクニックの1つである。
・誤解を恐れずにいえば、会議の生産性は2割くらいのもの、というのが著者の持論。会議が始ま
って早い段階で2割の成果を得ることができたら、あとの8割が残るわけだから、他の事に使った方
がいいといえる。
【感想&気づき】
【気づき&感想】お薦め度:★★★★(5段階評価)
「会議質」というタイトルこそ少し変わっているが、日々、沢山の会議をこなしている著者の経験と、
それに基づく持論がとてもわかりやすくまとめられた本。3~4年前からファシリテーションというものに
興味を持ち、数々のセミナーや実践で学んできたが、本書に書かれていることも、ベースとなる部分
は同じだと思った。違いをしいて挙げるのであれば、やはりテレビを中心としたマスコミで行われている
会議ということもあり、「雑談はOK」とか、「生産性は2割くらい」といった開き直りが、良い意味で
割り切りになるのかなという部分。これも、著者が経験を積み重ねてきた中で、導き出したルール
なのであろう。現在は、あまり物事を作りあげるような会議が少ない仕事をしているが、仕事面だけ
でなく、プライベートでの勉強会等でも、新たなモノを生み出すような会議といった機会を設けて、
ファシリテーションスキルを更に向上させていきたい。
【お知らせ】
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