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[書籍] サマンサタバサ 世界ブランドをつくる

 

おすすめ文

【内容】
帯には、作家の村上龍氏が「ブランドは「生き方」を反映し、象徴するものだ。寺田和正はそれを自覚し、実践する希有な経営者である。」と書いている。サマンサタバサリミテッドジャパンの創始者である著者が語るブランドについて書かれた本。以下に、各章毎の内容、印象に残った点を挙げる。


1章 日本のブランドは、本当に弱いのか
・「サマンサタバサジャパンリミテッドという社名には、世界を目指すという強い意志が込められている」
・ブランドとは、目に見えない付加価値。これをつくり上げていくためには“希少である”という要素はかなり重要。もちろん全国で広く展開し、手に入れたいと考える皆さんにお届けすることで成長できる、という考え方もあるが、「どこに行っても手に入る」ものにはブランドとしての価値がついてこない。
・ブランドには信用と認知度がある。その背景となるのは伝統と信頼である場合が多い。そうした目に見えない部分が価値として成立する。だからこそ“ブランド”といえる。
・あらゆる立場や価値観の人が見たときに、必ず形が同じであること。球体はどこから見ても円に見える。見えている景色は本当は違うはずなのに、結果的に見ているのは同じ円なのである。だから、目に見えない付加価値をブランドに与えていこうとするとき、果たしていまこれをすることが、ブランドにとってプラスなのかマイナスなのかを考えるとき、つねに球体として、あらゆる角度から見ていくことが大切である。
・ものごとの本質をしっかりととらえることで、そこにどのような付加価値があったのかを見つめることができる。
・ブランド企業と小売店とメーカーの3者は横一線、対等の関係であらねばならない。そのために、著者はメーカーに対し、会社のほとんどの情報を開示している。これによってメーカーのみなさまは、自分たちは何をすればよいかを考えることができるようになる。
・日本のメーカーは考える場面を与えられていなかったのではないか。そんな機会さえあれば、もっと日本のメーカーは実力を発揮できるのではないかと考えてきた。


2章 ブランドとの出会い
・著者は、中学2年生のときに「社長になるには自分で事業を興さなければならない」と決意した。それ以来、スーパーマーケットの棚を見たときに、売れるお菓子の可能性を考えたり、カナダにいるときは、日本での英会話を仕事にすることはできないかと考えたり、常に感受性を研ぎ澄まし、事業の可能性を探っていたという。
・「失敗しても気にするな」ということではない。大切なのは失敗した自分と真摯に向き合うことだ。「まあまあ、済んだことはしょうがない」では永遠に失敗をし続ける。失敗から何事かを学ぼうとする姿勢がなければ、成功には届かない。十分に落ち込んで、学んで、次の一歩を踏み出すことが大切である。
・サマンサタバサの会社の理念は、『やりがい、プライド、良い報酬、そして信頼』。サラリーマン時代の経験から、この理念が生まれた。
・昔から、みんなが無理だと思うところにこそチャンスがあると思っていた。だから、ふと自分が「無理だな」と思うことはそこで終わらせないで、他人に尋ねて「無理」だという確認を得る。そこで確信するという。「ああなるほど、みんなが無理だと思っているんだから、これはチャンスだな」と。著者はそれで多くの局面を突破してきた。


3章 良い人がつくる、良い人をつくる
・サマンサタバサジャパンリミテッドには、現在約900人の社員がおり、その9割以上が女性である。「ともに仕事をしていくうえで、女性の能力は非常に高いと考えられる」から、結果として女性の割合が高くなった。男性の能力も高いのだが、その一方で男性の中には「ごまかす」とうい文化が根づいているように感じるという。「ごまかす」とはつまり、「逃げ」という意味である。
・「良い人」といっても、する仕事によってその意味するところはまちまち。でも、著者には想定するひとつの像があるという。就職の面接のときの人を見るガイドラインのようなもの、それは、「嘘をつかない人」。
・何事でも、いまの自分に満足せず、常に上を目指して一生懸命やっていれば、成長しないということはない。当たり前のことである。


4章 良いものとは、良いたたずまい
・ブランドとして「良いもの」とはまた、「良い人」と同様に、さまざまな要素から成り立つ。「これがこうだから、良いものである」とは簡単には言えない。ただ、「これを欠くとブランドとして『良いもの』にはならない」という条件が著者にはある。著者がいつも言っているのは、ブランドとしての「たたずまい」。これは理屈では説明できない。そのブランドの商品がショップに置かれているとき、その商品は凛としているか、そして輝きを放っているか。ブランドとして「良いもの」を考えるとき、そうした「たたずまい」を大切にしている。
・ブランドの商品をつくるときには、価格設定の一面をとっても、商品を手にしたお客さまがどのような表情で買ったことを喜び、どのような場面で利用しているのかを想像できないといけない。ビジネスとして日常茶飯事になっているところだけでは見えないものがある。
・定番がなければ、ブランドは衰えていく。定番がつくられたとしても、定番が売れすぎるのも良いことばかりではない。そこにあぐらをかいてしまう可能性がある。


5章 良い宣伝は、お客さまを喜ばせてこそ
・「良い宣伝」のポイントのひとつは、「自分が好きで追いかけていたり、気にしているものを、あの素敵な人も持っているんだ!」という喜び。サマンサタバサのファンでいてくださる方々にとって、例えばビヨンセが同じバッグを持って写真に写っていたりすると、うれしいものだと思う。そういった「喜びのサプライズ」を提供できればと考えている。
・サマンサタバサを世界ブランドにしたい。そう思いながら東京だけで仕事をしていれば、サマンサタバサの広告宣伝に登場する人物と出会うことはなかった。お金と時間をかけてニューヨークをはじめとした世界を飛びまわり、パーティーに顔を出す。その結果として著者の夢に共感してくれた人が紹介してくれるという。「出会いは、すべて必然的偶然」なのである。
・いままさに物的な豊かさから精神的な豊かさへと、人々の関心は移っているような気がする。
・本来、物を買うことが、経済の一番の入り口だと思う。ただそれ以前に、お金を遣うことが悪であるという考え方が定着してしまった。倹約こそ美徳であると。著者はいう、お金を遣ったら、それによって覚えることもある。さらに稼がなきゃとか、もっと一生懸命働かなくては、というモチベーションにもなる。そういうところから、想像力というものは、意外と生まれてくるものではないか。


6章 良い場所にゴールはない
・新しいブランドショップを出すとして、表参道か御徒町か、どちらがいいかと訪ねたら、「表参道」と答える人が多いであろう。その答えは、じっくり考えたというよりも、ふと「表参道でしょ」と感じたのではないだろうか。「でも表参道は難しそう。競争が激しいから場所だってないだろうし、家賃も高そうだし」と思うであろう。それは誰しも思うことであり、問題はおそらくここからである。多くの人は、一生懸命「やらない」方向で考えていく。表参道の方がいい、と感受性が答えているにもかかわらず。ならば、どうしたらお店を出せるようになるかを考えて行動し始めないといけない。
・店づくりのうえで大切なのは「お客さまが商品と出合う時間をいかに楽しく演出するか」ということ。


7章 ブランドを広げる
・ショッピングというレジャーがそのままの価値を持ってネットに定着したときというよりむしろ、リアルで売っているモノをネットで売るだけではない、ネットによる新しい付加価値、レジャー的なものを入れたビジネスを作り上げれば、ネットそれ自体の捉えられ方も変わるはずである。「ネットでモノを売ったらブランドはダメになる」という考え方だったのが、「ネットでモノを売っていないのはカッコ悪い」というふうに。たぶん、それは数年後には現実のものとなっていると思う。
・サマンサタバサは2007年秋よりアパレルに参入する。国内のアパレルの多くは、お互いのアレンジ合戦であり、消費者にとっては比較対象となる。著者はそれを崩したいと考えている。アパレルにおいても、やはり「ここのお洋服が買いたい!」と思ってもらえるような、独自のブランドを生み出すことを志した。その第一歩がメッセージ社というアパレル会社であり、その中の1つが「ラストシーン」とうブランドである。



【感想&気づき】
お薦め度:★★★★(5段階評価)
著者のブランドビジネスにおける熱い想い、そしてサマンサタバサを世界ブランドにするんだという想いがヒシヒシと伝わってくる本であった。私自身は、サマンサタバサというブランドは聞いたことがあるくらいで、最近店が増えているなあと感じたレベルであったが、「ブランドマーケティング」、「ブランド戦略」というものには以前から興味があり勉強してきた。
よって、モノを売る上でのブランドの考え方、こだわりということの一例を知ることができたことは、勉強になった。ふと冷静に企業としてみた場合、この偉大な熱い想いを持った創業者がいなくなっても、継続して人気ブランドとして生き続けるためには、更にブレークスルーしなければいけない部分があるのではないかと感じた。今後もサマンサタバサジャパンリミテッドの動向に注目していきたい。



【お知らせ】
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基本情報

日本経済新聞出版社 − 寺田 和正

投稿者

smile-coach

最終更新

2008-08-07 07:33:11
 

コメント

  • ■ flyly08@gmail.com

    た。ふと冷静に企業としてみた場合、この偉大な熱い想いを持った創業者がいなくなっても、継続して人気ブランドとして生き続けるためには、更にブレークスルーしなければいけない部分があるのではないかと感じた。今後もサマンサタバサジャパンリミテッドの動向に注目していきたい。
    Longchamp Outlet  2017-05-25 12:09:11

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