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[書籍] 佐藤可士和の超整理術

 

おすすめ文

【内容】
著者は、ユニクロや国立新美術館のロゴなどをデザインしたことで有名なアートディレクター。帯には「仕事も頭もスカッと爽快。空間・情報・思考のもやもやを一刀両断!気鋭のアートディレクター、秘技初公開」と書かれており、本の表装もシンプルな白地に黒の文字でまとめられている。
以下に、各章毎の内容、印象に残った点を挙げる。ここにまとめた以外にも、ユニクロや国立新美術館、今治タオルなど沢山の実例が盛り込まれている点も興味深い。


まえがき
・「楽しく、早く、いい仕事をして、人に喜んでもらって、自分もハッピーになりたい」というのが、著者が仕事に対して取り組んでいる気持ち。
・仕事に限らず、全てに対して「どうせやるなら、楽しくやりたい」と考えており、限られた時間を有意義に過ごすには、仕事も心からエンジョイできるものにすることが、いちばん現実的な解決になると思う。
・そこで、整理術が登場する。“整理”というと、一見重たい響きのある言葉だが、著者は、整理という行為を、ものすごくポジティブに捉えている。それは、整理をすることで、仕事の環境が格段に快適になるから。
・整理術を磨いていくと、仕事を取り巻く環境がみるみる快適になっていくのが実感できるはず。それに伴い、仕事の精度も劇的にアップしていることでしょう。著者がこの本で述べる整理術とは、整理のための整理ではなく、書いてきに生きるための本質的な方法論。だから、デスク周りなどの空間から仕事上の問題、人間関係に至るまで、あらゆる場面に応用できる。


1章 問題解決のための“超”整理術
・著者が行っている仕事というのは、“コミュニケーション戦略を総合的に立案し、デザインの力で目に見えるかたちにしていく仕事”。一見アーティスティックに自己表現をしているのではと思われがちだが、実はドクターのようにクライアントを診療し、問題を解決していくといった方がふさわしい。
・2002年に発売されたキリンの発泡酒「極生」。著者が提案したのは、とことんシンプルでクールなイメージであった。当時、発泡酒というと、“安かろう悪かろう”という風潮も強く、“ビール代を節約するために仕方なく飲む”といったネガティブなイメージが広がっており、クライアントもその現状を打開しようと模索していた。そこで、発泡酒のマイナスイメージをプラスに転換することを考え、コクが足りないのではなく“ライトで爽やかな飲み口”、ビールの廉価版ではなく“カジュアルに楽しめる現代的な飲み物”というように発泡酒を捉える視点を転換した。
・著者の考えるアートディレクションは、自己表現が原動力ではない。「いろいろなジャンルのプロジェクトを数多く手がけていて、アイデアが尽きることはないのですか?」と聞かれることも多いが、その心配はない。なぜなら、答えはいつも、自分ではなく相手の中にあるから。それを引き出すために、相手の思いを整理するとういことが、重要となってくる。
・どんなにカッコイイ“作品”を作っても、本当の意味で人の関心を引かなければ意味がない。単に奇抜なだけの表現は、瞬間的に注目されるだけで、すぐに記憶から消えてしまう。商品の本質をきっちり捉えて効果的に表現してこそ、心に残るものを作ることができる。大切なのは自己表現じゃなく、どう人々に伝えるか、つまりデザインやビジュアルの力を使って、本当に伝えたいことを相手に届けることではじめて広告は機能する。
・なぜこのデザインにしたのかという過程を相手に理路整然と語れるように、自分の思考回路の整理をきっちり行うようにしたら、作品からあいまいな部分がどんどん消えていった。


2章 すべては整理から始まる
・混沌とした現状を認識し、それに対処する心構えを、ぜひ持つべきである。そして、問題の本質に迫ろうとするポジティブな姿勢を保つことが、整理術の大前提となる。
・仕事上の整理においてのプロセスは、以下の3つとなる。①状況把握→②視点導入→③課題設定。


3章 レベル1「空間」の整理術~プライオリティをつける~
・「モノを絞って、すっきりと気持ちいい環境の中で、効率的に仕事をしたい」というのが、著者の“空間”の整理を行う上での大前提となっている。整理がきちんとできれば、自分が把握していないものがいっさいない、クリアな状態になる。すると、仕事の効率も上がるし、リスク回避にもなる。
・ひとつひとつのアイテムを単独で吟味していると、なかなか思い切れない。整理の順番としては、①アイテムを並べてみる→②プライオリティをつける→③いらないものを捨てるという順で進行するといい。
・“とりあえず”とっておくということは、整理するうちには入らない。単なる移動で終わってしまう。最終判断を先延ばしするということでもある。そうなると、いずれまたプライオリティをつけなくてはいけなくなるから、無駄も出るし、精度も悪くなる。最終的に仕事のクオリティが上がらなくなってしまう。
・それぞれのモノの定位置を決めておくことは欠かせない。これが習慣になれば、デスク上をきれいに保てるだけでなく、どこに何があるかを把握しておくことができるようになる。
・著者のオフィスも、モノが一見なさそうでいて、実はかなりの量があるという。整理して減らした後でも相当なボリュームがある。だが、目の前から見えなくすることが、作業環境を快適にしている効果は計り知れない。仕事にぐっと集中できる。視覚的な効果が精神的な効果をもたらしている。さらに、目の前からモノがなくなると、本当に大事なモノが何かを実感できる。
・整理とは、自分の中の不安や“とりあえず”との闘い。それに打ち勝つためには、“捨てる”勇気が必要。捨てるモノを決めるためには、プライオリティをつけることが不可欠。厳しく自問自答して、下位のものは時間軸で区切って処分するといい。


4章 レベル2「情報」の整理術~独自の視点を導入する~
・“あるべき姿”に到達するためには、不可能ではないけれどもかなりの努力を要する。ブランディングの一環として、社会に対してはっきりとビジョンを提示することで、クライアントもそれに近づくべく切磋琢磨していければ、ひとつの理想形といえる。この目指すべきビジョンを見つけ出すひとつの方法として、整理術がある。
・本質を探るということは、一見、物事の奥深くに入り込んでいくというようなイメージがあるが、実はどんどん引き離れていくことだと思う。客観的に見つめてこそ、いままで気づかなかったような真実や大事なエッセンスを発見することができる。
・思い込みを捨てるには、あえて極論を考えてみるというのも手である。無謀なほど極論な気持ちになってみないと、自分を捨てることは難しいもの。こうして自分の思い込みを捨てたうえで、次は上方を多面的に見つめてみる。視点の向きを変えてみると、思わぬ発見がある。
・「視点を引いて客観視すること」も、「視点を転換すること」も、「思い込みを捨てること」も、すべては「多面的な視点で物事を観る」ということのバリエーション。情報という、実体のないものを整理するために、こうした柔軟なアプローチが不可欠。そして何より、目指すべきビジョン、つまり“あるべき姿”を目指して整理するという大前提があってこそ、ポジティブに、意欲的に取り組める。


5章 レベル3「思考」の整理術~思考を情報化する~
・相手に自分の考えていることをきちんと伝えるとういことは、すごく難しい。これがうまく出来る人というのは、“思考”の整理に長けている人。つまり、自分の考えを整理して精度を上げることで、いちばん大事なことをブレずに、明確に伝えることができている。これが難しいのは“思考”が目に見えないから。“思考”の整理は“情報”の整理より、さらに難度が高い。
・自分の考えだけでなく、相手の考えもきちんと整理して理解することができれば、コミュニケーションの精度も格段にアップする。つまり、抽象的だった思考が、明確な情報としてやりとりされることになる。思考の整理のポイントは、思考を情報化していくことである。
・思考を情報化するうえで必要不可欠なのが、“無意識の意識化”というプロセス。漠然とした状態の心理や、心の奥深くに埋もれている大切な思いなどを掘り起こして、はっきりと意識する。すると、整理したり、秩序だてたりといった次の段階に進むことができる。
・まずは相手のとの会話を正しく言葉に置き換えて、情報にすることが大切。その際にぜひ試してほしいのが、仮説をたてて、恐れず相手にぶるけてみること。相手の言っていることがある程度まとまったら、「それってこういうことですか?」と、自分なりの言葉に置き換えて投げ返してみる。そして、何度もキャッチボールを繰り返していくうちに、「これが言いたかったのか」というポイントが見えてくる。


6章 整理術は、新しいアイデアの扉を開く
・各章のポイントをあらためて挙げると、「空間の整理:整理するには、プライオリティをつけることが大切」、「情報の整理:プライオリティをつけるためには、視点の導入が不可欠」、「思考の整理:視点を導入するためには、まず思考の情報化を」となる。
・“整理すること”と“問題解決”は、別ものだと思っていた人も多いのではないか。でも、そんなことはなく、「整理と問題解決は、同じベクトルでつながっている」ということが本書では述べてきた。“問題解決”は、“あるべき姿を見つけること”であり、あるべき姿を見つけるひとつの方法として、整理術がある。



【感想&気づき】
お薦め度:★★★★(5段階評価)
この本の紹介も兼ねて、著者がTVで話しているのを観たが、驚くほど簡素化されたオフィスに驚いた。
クリエイティブな仕事をする著者が、どんな整理術を実践しているのか興味を持って読んだ。
章立てにあるように、「空間」→「情報」→「思考」の整理というステップがわかりやすく、面白い。
私自身が一番興味を持ったのは、情報の整理における「多面的な視点で物事を見る」ということ。
具体的に、「視点を引いて客観視する」「視点を転換する」「思い込みを捨てる」という方法を挙げている。
言葉で読むと当たり前のようだが、本当にこの視点を持てるかどうかが、プロとして食べていけるかどうかの違いであり、なかなか簡単には実践できない部分だなと感じた。
今後、問題解決を検討するにあたっては、チェックリストとしてこの3つの視点で物事を見れているかを用いていきたいと思う。



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基本情報

日本経済新聞社 − 佐藤 可士和

投稿者

smile-coach

最終更新

2008-08-07 07:26:28
 

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