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[書籍] ザ・ファシリテーター2

 

おすすめ文

【内容】
帯には、以下のように書かれている。
・大好評ファシリテーショのバイブル第2弾!「実践応用編」。さまざまなビジネスシーンの中で、ファシリテーションの使い方を具体的、かついきいきと大好評のストーリー形式で描く。
・心が動かなければ、人は動かない。心が動くのを待っていては、組織は勝てない。いくらいい戦略をつくっても、従業員の行動が変わり、続かないと結果にはつながらない。
ファシリテーションという技術を用いて企業の変革を行う様が、リアリティを持って伝わってくる物語形式の本。2年前に出された前作『ザ・ファシリテーター』の第2弾。
物語のストーリーは、なかなかうまく伝えられないかもしれないが、各章毎の内容・印象に残ったフレーズを以下に挙げる。


プロローグ 解けない問題を解ける形に変換する
・ある病院での話。「今年も手術件数を大幅に増やすというに」という経営側からの要請。コンサルタントの米倉が入ると、「手術件数を年間500件から600件に増やす」という問題が、「医師の時間の使い方を調べ、手術に使える時間を20%増やす」という問題に変えることができる。
・人は、自分が解ける問題に直面すれば、自ら解決に動き出す。そういう自然な力が働くものだ。ちょっとした工夫で、解けない問題を解ける形に変換できるのに、それを怠って、みんなのやる気を引き出せずにいる。


第1章 演出する危機
・山海電機の本社研究所の企画部に勤務する新任課長の深山。研究所の開発テーマの絞り込みが課題。深山は、山海電機本社研究所の開発案件を評価する仕事を行い、技術開発委員会にて報告することになる。
・コンサルタントの米倉は、「もう少し危機を演出する必要がある」と指摘。
・欧米の企業は80年代の後半からアウトプット重視の技術開発に転換していった。しかし、当時勝ちつつあった日本企業はこの流れに乗らなかった。その後「失われた10年」を経て、日本でもアウトプット重視への転換が起こりつつある。アウトプット重視の技術開発への転換は研究所だけの問題ではない。会社全体として、その転換に取り組み、必要な組織行動を起こしていかなければならない。自分の力で考えなければならない。借り物では挫折する。自分で考えるための仕組みとして、アクションラーニングを取りいれた幹部研修を提案した。
・コンサルタントに依頼して、どういう新規事業をやるべきだという戦略をつくることはできるが、それでは継続的な組織の行動にはつながらない。会社を学習能力の高い組織に買え、組織自らがその方向を決めていけるようになる。狙うべき新規事業は何かという答えもそこから出てくる、その中で研究所の新規事業に対する方針も明らかになる。
・アクションラーニングの目的は、「質問する能力を開発すること」である。ここでいう質問とは、問題の本質に迫っていくような問いかけのこと。
・GEの「ナンバー1、ナンバー2ストラテジー」。これを中堅幹部から提言で、ウェルチはやめている。BMCと呼ばれるアクションラーニング型の件集での中間管理職からの提言の結果である。


第2章 行動を変えるために
・深山と黒澤涼子との再会。かつてのMBAの勉強を振返ると、組織行動論(オーガニゼーショナル・ビヘイビア)は役立っていると感じる。でも、本当に大変なのは、理屈じゃなくて、その後の行動。いくらいい戦略つくっても、従業員の行動が変わって、それが続かないと結果にはつながらない。エドガー・シャインがなぜ、馬鹿に見えるくらいクライアントの話を聞いていたのかがわかった。シャインの行動を変えようとしたら、まず共感を引き出すしかない。
・1ヶ月後、深山の提案で、黒澤涼子はマーケティング道場にこうしとして招かれた。
・ファシリテーションとコーチングの違い。「会議をコーチする」とか「部長をファシリテートする」とはいわない。動詞にするとわかるように、目的語が違う。コーチの目的語は人であるのに対して、ファシリテートの場合は、変革や議論・会議といったプロセスが目的語となる。
・人の脳はストレスを感じると、すでに知っている方法によってそこから逃れようとする。だから、うまくいかないことが起こるとおなじことを、“より一生懸命”繰り返すのだと、脳科学者は説明している。この悪循環からすばやく抜け出させるのが、ファシリテーターの役割の1つである。変革のファシリテーターには、プロセスをよく観察し、思考手順を変える、場合によっては人を入れ替える、非日常的な経験をさせてみる、といったありとあらゆる試みで行動の変化を促す能力が要求される。
・コミュニケーションには情報だけでなく、コンテクストの要素がある。実は、日本は世界でもまれにみるコンテクスト重視社会。
・ファシリテーションの成否の3分の2は、プロセス設計で決まる。成果の出るプロセスをデザインすること、ボタンの掛け違いを起こさないこと、ゴールを明らかにし、そこへの最適パスを心理的、論理的観点からデザインする。ここで会議や変革の6割が決まる。


第3章 グループの思考プロセスを診る
・ファシリテーションの演習、プロセス観察をする。プロセス観察のポイントは、①グループの思考パターンを観察する、②どんな「困ったチャン」が出てきたか、③それに対してチームはどう対処したか、④ファシリテーターはプロセスをリードしていたか。


第4章 クリスタルシンキング
・自分は解けるが、部下には解く力がない場合、ファシリテーションでは「提案し、考えさせる」。同じように言われたことをするにしても、提案し考えさせてから実行するのと、ただ命令されてやるだけというのとでは、生産性は10倍も20倍も変わってくる。
・考えた結果、仮にやはり違うという結論になったとしてもいい。話し合った結果それで実行しないといけないとリーダーが考えるときには、やればいい。やって正解だったということになれば、チームのメンバーが学習する。失敗だったということであれば、リーダーはそれを素直に改めて、また学習する。ファシリタティブというのは、そういうオープンで、インタラクティブなプロセスを持つこと。目指しているのは、組織として常に学習すること。
・クリスタルシンキング。自分の言いたいポイントは何かを、誰が聞いてもわかる明解な言葉で表現できるまで考える。小学生にもわかる言葉で、短く離せないのならまだクリスタルじゃない。ロジカルでなければならないのだが、それだけでは不十分。その思考のプロセスや結論を誰が聞いてもすぐに理解できるような端的な言葉で表現できるまで考えるということ。
・クリスタルシンキングを鍛えるためには、PREP法を常に意識して考え、話させることが必要。PREP法とは、P(POINT):結論、R(REASON):理由、E(EXAMPLE):事例、P(POINT):結論の略で、結論から話す方法。
・さまざまな分野のリーダーには圧倒的にパワー動機に人が多いという。興味深いことに、最近のリーダーに関する研究では、このパワー動機に変化が現われているという。1990年代以前は、優れた業績を出すチームのリーダーたちは、「リーダーシップとは他者に対してなすこと」という姿勢でいたのに対して、90年代の追跡調査では、チームや組織などからパワーを引き出す、すなわち「リーダーシップ」とは「他者とともになすこと」と著しく変化してきている。


第5章 ポストマージャー・インテグレーション
・危機感がない組織でビジョンをつくっても、組織は、人は動きません。危機感が一番大きなエネルギーを発するからです。組織変革というのは、みなさん一人一人の行動の変化を迫るおのです。辛いこともあるし、やり遂げるには、人間の持っている最大のエネルギーがいるということです。


第6章 本社研究所崩壊
・山海電機では、新年度の組織改正。戦略的リーダーシップ研修の実施。選抜されたメンバーが世界各国の大企業の研究所を視察し、改善プランをまとめあげる。
・「役割」を少し工夫する、たったそれだけで、組織は生き生きと機能しはじめることがある。
・機能(ファンクショナリティのF、信頼性(リライアビリティ)のR、利便性(コンビニエンス)のC、そして価格(プライス)の)Pをとって、FRCPの法則と言われることがある。この順番に消費者は満足する。


エピローグ バリキャリのご褒美
あとがきに代えて
・前作『ザ・ファシリテーター』を書いた時には、二作目を書くつもりはなかった。しかし、時が経つにつれて考えが変わった。多くの読者のみなさんと話す機会があり、書き足りないことを痛感してきたからかもしれない。今回も、前作同様、組織変革のリーダーシップをテーマにした。実際の組織変革は、場合によっては、どろどろした、わけのわからないものがうごめく世界であり、それをどこまで書き込むか悩んだ。書き込めば、それが主題になってしまう。書かなければリアリティを失う。書きたいことは、どろどろではなく、そこには法則性や方法論があるということだ。
・書きたいことは、もう1つあった。何よりも明るく、前向きに変革に立ち向かうエネルギッシュな姿勢だ。それなしには何も変わらない。
・この2年間で、日本でもファシリタティブなリーダーたちが脚光を浴びるようになってきたように思う。心強い限りである。


【感想&気づき】
お薦め度:★★★★★(5段階評価)
本書は、前著『ザ・ファシリテーター』の続編。第一作を読んだのは、既に1年半くらい前こととなるが、読みながら前作を読んで感じたワクワク感がよみがえってくると共に、「変革」の難しさ、そしてその中におけるファシリテーションを中心としたコミュニケーションスキルの重要性を痛感した。
自分は、これだけの幅広いフレームワークを使って、周りの意見を引き出すことができているだろうか。より「納得感」を高めていくために、今の自分に足りないものは、何だろうかと、物語の内容とは別に色々と考えさせられる本であった。
本書にも出ているように、ファシリタティブなリーダーが注目を集めてきている。リーダーに求められる要件も時代の流れと共に変化しつつあり、キャリアとして目指すべき姿自体も時代の流れ、自分の成長度合いに応じて見直していく必要があると感じた。



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基本情報

ダイヤモンド社 − 森 時彦

投稿者

smile-coach

最終更新

2008-08-07 07:01:37
 

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