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[書籍] ホスピタルクラウン~病院に笑いを届ける道化師~

 

おすすめ文

【内容】
この本には、子ども達と著者の触れ合う沢山の写真が載せられている。これを見ているだけでも、心が温まってくる。著者が普段思っていること、心がけていることがCHAPTER01~35までに分けられ、ポエムのように綴られている以下に、心に響いた部分を挙げる。(ちょっと量が多くなってしまいました。。。)
・ぼくは道化師(クラウン)だ。赤い鼻とコミカルな衣装を見に着け、手品やアクロバット、パントマイムなどいろんな芸を繰り出してお客さんを楽しませる。といっても大道芸人やマジシャンのように、お客さんたちが手に汗を握るような、スリル満点のショーを演じるわけじゃない。たまたまその場にいた人たちをなごませ、笑わせ、たとえ一瞬でもいいからみんなに日常のことを忘れてもらうのが仕事だ。
・ホスピタル・クラウン。病院をたずねて、闘病中の子どもたちを元気づける道化師のことをそう呼ぶ。欧米では80年代にはじまり、今は治療法のひとつとして認識されている。日本でなじみ深いのはアメリカ人の医師、パッチ・アダムスだろう。彼は映画のモデルにもなり、ホスピタル・クラウンの第一人者として世界中に知られている。
・でも、日本ではまだまだなじみの薄い活動だ。病気の子どもが相手だし、子どもの期待を裏切ることもできない、責任も重い。正直いってはじめは「やりたい」とは思わなかった。でも、同時に「やらなきゃいけない」とも思った。病院では注射や薬、手術、孤独と子どもたちの心には目に見えないストレスが溜まっている。病院の先生は「笑顔はどんなクスリにも勝る」と言ったという。
・活動をはじめて3年。病院に行く前、「子どもが待っている」という使命感よりも「ああ、今日は体がダルいけど友達が待っているから行くか」という軽い気持ちで行くことが増えた。
・病室をたずねるときは、なんでも子どもに教えてもらうようにしている。そうやって優位な立場にしてあげると子どもはみるみる目を輝かせてくれる。子どもは病院でもっとも立場が弱く、毎日こうしなさい、こうしちゃダメって怒られたり、命令されてばかりいる。その立場を一気に逆転させてしまうのがぼくたちのやり方だ。
・いつも病院で会っていた子どもが、突然亡くなることもある。もちろん「悲しむ」という感情が、自分の中にあってもいいと思う。その気持ちをすべてさらけ出したくなるときもある。でもぼくは病院の子どもひとりひとりに対して、なるべく思い入れを持たないようにしている。ぼくは道化師のプロだから、明日も道化師じゃなきゃいけない。その日のつらいことは、その日のうちに忘れなければ、次の日がない。その子のことは大好きだし、本当は思いいれもある。すごくさみしいし、やりきれない。いっそホスピタル・クラウンなんてやめてしまいたくなるときもある。でもそんな考えはきっぱり捨てなきゃいけない。他の子どもたちと会えなくなってしまうからだ。ぼくができることは、ただ思うこと。死んでいく子どものことも、ずっとそばにいる家族のことも。ぼくとういひとりの道化師が、ただ思っているということ。
・ある男の子。過酷な治療を終え、相部屋にやってきたときには、言葉数が減ってしまっていた。病室を訪れた際も握手に応じることなく、ひとりでゲームをやっていたという。そこで子どもたちを集め、ひとりひとりにおもちゃのサングラスをプレゼントした。そしてお医者さんにも声をかけて、背中にシールを貼るといういたずらをした。すると男の子も同じようにシールをねだり、友達の背中にはりつけた。別の日に病院をたずねると、すっかり男の子は友達の中に溶け込んでいた。
・ある女の子。7年前から入退院を繰り返すうちに気持ちがふさいでしまった。彼女は動物のバルーンが好きで、いつもバルーンをつくる姿をみている。薬の副作用で意識がボーっとしていたような時も、一生懸命風船を手に持って、バイバイをしてくれた。
・道化師のスタイルは人それぞれだ。ナルシストもいれば引き立て役もいる。口ベタな道化師や、泣き虫の道化師なんていうのもいるだろう。基本的にはなんでもありなんだけど、忘れちゃいけないことがある。それは人が大好きで、自分が大好きであること。一番身近な人を愛せなければ、みんなを楽しませることなんてできない。
・出会った人たち全員と、ぼくはいい握手をしたい。相手にどう思われるかというよりも、自分にとってどれだけ気持ちいい握手ができたかどうか。それを評価の基準にしている。
・子どもたちと遊んだ後、その子のお母さんがよくこんなことを言う。「自分の子がこんなに笑うってこと、忘れてた」。子どもが本気で笑うのを見たことがない。病院にはそういうお母さんがいっぱいいる。
・ぼくはときどき思う。笑いやパフォーマンスで子どもたちを元気づける、というよりも、ぼくが病院に行くか行かないかで迷ったら、「まあ行ったほうがいいかな」ってレベルじゃないかって。道化師は役に立つ存在だと思うけど、かといって病気に対して何かできるわけじゃない。1分でも2分でも、子どもが病院にいることを忘れたり、痛みを忘れたり、病気であることを忘れてくれればいい。
・子どもと遊ぶうえで、切り上げどきは難しい。気に入ってくれたらもっと遊んでほしいと思うだろうし、ぼくも子どもの反応がうれしくて、つい長く遊びたくなるときもある。でも時間が長びけば、それだけ飽きられるのも早く、なにより子どもたちの体力を奪ってしまうのがこわい。浅くゆっくりとつきあっていくこと。それがいろんな子どもと気持ちいい関係を保つための、ぼくなりのやり方だ。
・パッチ・アダムスにインタビューをすることとなり、3時間くらい話をした。中でも印象に残っているのは「夢は道化師のいない世の中にすること」という言葉。道化師のような存在がいなくてもみんなが笑っていられるような社会にしたい、という意味だ。
・失語症になってしまった男の子の話。お母さんからの呼びかけにjこたえ、帰り際に「ありがとう」と答えてくれた。半年間まったく言葉を話せなかった男の子が、初対面のぼくに話しかけてくれたのだ。男の子はその後順調に回復し、3ヶ月後には無事に退院したという。ぼくはまるでひとごとのように、「笑いの力ってすごい」と思った。ぼくたちに病気を治すことはできない。でも、患者が「病気に立ち向かうきっかけ」を作ることならできる。ときどき自身を失いそうなときもあるけれど、子どもが笑ってくれさえすれば自然と勇気も涌いてくる。
・ぼくは道化師だ。いままでずっとやってきたし、この後もずっとつづけていくつもりだ。目標は今うちのメンバーにいる68歳の道化師。彼はただそこに存在しているだけで、みんなをやさしい気持ちにしてくれる。彼こそが、ぼくの考える理想の道化師だ。彼のようになるためにはもっと人生経験を積まなきゃいけない。
このほかにも、著者がなぜ道化師になったのか、またアメリカで開かれた道化師のワールドカップに参加したときの話なども書かれている。



【感想&気づき】
お薦め度:★★★★★(5段階評価)
ホスピタル・クラウン。テレビで1~2回見たことはあったけれども、その職業というものの中身について、考えたことはなかった。
本屋でふと目にした瞬間、知ってみたいなという気持ちになって購入した本。著者のクラウンKこと大棟さんの人柄、普段の心構え、素敵な体験が本を通して伝わってくる。
病院で病気と闘う子どもたちに対して、笑いを通して、人の温かみを届ける。プレッシャーもすごいだろうし、なんて素敵な仕事なんだろうと思った。
技に頼ってしまってはいけなく、大事なのは心であるとういこと、お客さんである相手が主役であるということ、自分の仕事においても通じるものがあるなと感じた。
著者のように、自分の仕事に誇りを持ち、一生かけて取り組んでいきたいと思えるということは、とても素敵なことだと思う。



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基本情報

サンクチュアリ出版 − 大棟 耕介

投稿者

smile-coach

最終更新

2008-08-07 06:47:36
 

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